ボークとは?よくある5つのパターンと罰則をわかりやすく解説

審判が急に両手を広げて「ボーク!」と叫び、走者がするすると次の塁へ。投手は何もしていないように見えるのに、なぜか点が入ることさえある——野球のルールの中でも、見ていて一番わけが分からないのがボークではないでしょうか。

でも、押さえるべき考え方はひとつだけです。「走者が判断できない動きをしたら反則」。この一点さえ握っておけば、実況が説明してくれなくても何が起きたかだいたい分かるようになります。

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ボークとは「走者をだます動作」

ボーク = 走者がいるときに、投手が走者をだます不正な動作をすること
宣告されると、全走者が1つずつ進塁する

投手と走者は、常に駆け引きをしています。投手は牽制で走者を釘付けにしたい。走者は投球モーションに入った瞬間を見極めてスタートを切りたい。この勝負が成立するのは、「投球なのか牽制なのか」を走者が動作から判断できるという前提があるからです。

ボークはこの前提を守るためのルールです。投げると見せかけて投げない、静止せずに投げる、といった動きをされると、走者は判断のしようがなくなる。だから反則として、走者に1つ塁を与えて埋め合わせをします。

なぜ走者がいるときだけなのか

ボークは走者を保護するためのルールなので、そもそも走者がいなければ発生しません。無走者のときに同じような不正な投球動作があった場合は、ボークではなくボールが宣告されます。

「ランナーが出た瞬間から投手の動きが窮屈になる」のはこのためです。無走者のときは自由なタイミングで投げられるのに、走者が出た途端、セットポジションで一度完全に静止しなければならなくなる。ここが投手にとっての負担であり、走者が出るだけで投手が崩れることがある理由のひとつでもあります。

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よくある5つのパターン

ボークとして規定されている動作は細かく分かれていますが、実際の試合で見かけるのはほぼ次の5つです。

パターン何が起きたかなぜ反則か
静止しなかったセットポジションで完全に止まらないまま投げた走者がスタートの基準にする「静止」が無く、判断できない
投球動作の中断投げるモーションに入ったのに、途中で止めた走者は投球と信じて走り出しており、明確なだまし
プレートを外さず一塁へ偽投軸足をプレートに置いたまま、一塁へ投げる真似だけした一塁への偽投は認められていない(二塁・三塁とは扱いが違う)
塁に体を向けずに牽制その塁に踏み出さないまま牽制球を投げた投球動作と区別がつかず、走者をだます形になる
打者が構える前に投げた打者がまだ体勢を整えていないのに投球したクイックピッチと呼ばれる反則。打者の安全にも関わる

この中で圧倒的に多いのが1つ目の「静止しなかった」です。走者を背負って焦った投手が、セットで止まりきらずに投げてしまう。テレビだと止まっているように見えることも多く、観客席がざわつく典型的な場面です。

3つ目の「一塁への偽投」は少し覚えづらいですが、一塁だけは特別扱いで、投げる真似だけで終わるのは認められていないと押さえておけば十分です。二塁への偽投は認められています。

罰則:走者が1つ進む

ボークが宣告されるとボールデッド(プレイが止まる)になり、すべての走者が1つずつ進塁します。

ポイント:ボークで最も痛いのは三塁走者がいるケース。投手が何も打たれていないのに失点する、野球で唯一に近い形です。だから終盤の三塁走者は、投手のモーションを揺さぶってボークを誘う動きをすることがあります。

なお、投手がボークの動作をしたあとにそのまま投球し、打者が打って全員が進塁したような場合は、プレイをそのまま生かす扱いになることもあります。攻撃側に不利にならないよう調整される、と理解しておけば観戦上は困りません。

観戦のポイント

よくある質問

Q. ボークとは何ですか?

A. 走者がいるときに、投手が走者をだます不正な動作をすることです。宣告されると全走者が1つずつ進塁します。

Q. 走者がいないときもボークになりますか?

A. なりません。ボークは走者を守るルールなので無走者では適用されず、同様の反則動作にはボールが宣告されます。

Q. 一番多いボークはどれですか?

A. セットポジションで完全に静止しないまま投げてしまうケースです。走者を背負って焦ったときに起こりやすい反則です。

Q. ボークで点が入ることはありますか?

A. あります。三塁に走者がいれば、その走者が本塁に進んで1点が入ります。

まとめ

ボークは「走者が判断できない動きをしたら反則」という一点に尽きます。実際に見かけるのはセットで静止しない・投球動作を中断する・一塁へ偽投する、あたりがほとんど。宣告されれば走者は1つ進み、三塁走者がいればそのまま失点します。

同じく「なぜ今のが認められるのか」が分かりにくいルールとしては振り逃げインフィールドフライがあります。あわせて読むと、野球のルールが誰を守るために作られているかが見えてきます。